NEWS

  • 2019/4/1
  • 環境教育体育

「生きものたちの冬」

 深い雪におおわれ、辺り一面真っ白になる北海道の冬は、夏に比べ、野生動物に出会う機会が少なくなりますが、それでもよく目をこらすと、雪景色の中でも様々な生きものに出会うことができます。先日、運転中に目の前をキタキツネが横切りました。虫やヘビを捕ることのできない冬は、特にネズミが貴重な獲物です。以前、雪の上に残されたキツネの足あとを、延々と追いかけてみました。すると途中で足あとが乱れ、赤い何かが雪の上に。おそらくキツネに食べられたネズミの血でしょう。これも大切な生きものどうしの「つながり」です。
キツネを見かけた同じ日。キラキラ輝く雪の上でモゾモゾ動く黒いもの。クロカワゲラという昆虫で、いつも雪の上で見かけることから「雪渓虫(セッケイムシ)」とも呼ばれています。幼虫は夏から秋を水中で暮らし、冬になると羽化して雪上に姿を現すなんとも不思議な奴ですが、幼虫は魚のエサになり、雪の上では鳥などのエサになり… これもまた、とても大切なつながりの一員です。
帰り道には道路上で何かの目が光りました。車のライトに照らされ、慌てて道路脇の雪壁を登ろうとしましたが、短足なので滑り落ちました。テンです。イタチの仲間で、胴長短足ですが、なかなか気が荒く、ネズミなどをとらえて食べています。もともと北海道にはエゾクロテンが住んでいますが、人間が毛皮をとるために本州から持ち込んだホンドテンの影響を受け、数が減っています。この時のテンはどちらだったのでしょうか。暗くてはっきりわかりませんでした。
子どもの頃、布団に入って目を閉じて、昼間に読んだ図鑑の動物たちを思い出すのが好きでした。自分が寝ている今この間にも、雪の上でも、氷の下の水中でも。たくさんの動物たちが活動し、獲物をとらえ、春夏秋冬、二十四時間、命のやり取りが続けられていることにドキドキしていました。
今、子どもたちに同じドキドキを伝えられる立場にいることに感謝しつつ、人間は全く特別なんかじゃなく、つながりの一員に過ぎないことを伝えていきたいと思っています。

暖かくて気持ちの良いある日。
キツネが大きなあくびをしていました。
水中でも陸上でも、カワゲラの仲間は
たくさんの動物のエサになっています。
つながりの役に立たない動物はいないはずだけど…
人間は大丈夫?