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  • 2019/4/1
  • 環境教育体育

「環境教育」って?

  初めてお会いした方に「どんなお仕事を?」と聞かれると、いつも返事に困ります。「環境教育をしています」と答えると、たいていの場合「環境教育…ですか?」と返ってきます。
 「環境教育」って… なんでしょう? 実は自分でもよくわかりません。よくわからないのですが、相手の頭にハテナマークが浮かんだあとは「小学校で自然や生きものについての授業をしています」と加えるようにしています。それでもやっぱり「はぁ。自然…ですか…」と理解していただけたのかどうなのかよくわからない気のない返事がほとんどです。
 「子どもたちにとってどんな効果が?」と聞かれることも多いですが、いつも外を駆け回り、野生動物を追いかけている子の何が良くて、いつも家でゲームをしている子の何が良くないのか… これもまたよくわからないというのが正直なところです。前回もお話したように、僕は教員でも研究者でもなく、環境教育に対する立派な理念などを持ち合わせてはいません。
 でもなんとなく…なんとなくだけど、身近な自然や野生動物や、そこで起きている人間が原因の環境破壊を知ることで、子どもたちが優しくなる気がします。自然にも野生動物にも、そして人間にも。
 最近は深く考えることすらしなくなりました。そんなアバウトな感じで、なんとなくでいいかなと。野生のトカゲやヘビを見せ、追い掛け回し、捕獲して手にとった時の子どもたちの嬉しそうな顔が好きです。普段は僕の言うことになど耳を貸そうともしないヤンチャ坊主が、セミの羽化の瞬間を食い入るように見つめる眼差しが好きです。
 「便利」を追求し、たくさんの自然を破壊し、たくさんの生きものを滅ぼしてきた人間。半強制的に環境破壊という課題を背負わされた子どもたちに、ひと粒でも多くの種をまくことが、今の僕にできることかなぁと思っています。



セミの羽化を観察する子どもたち。いつになく真剣なまなざし。