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  • 2019/4/1
  • 環境教育体育

「つながり」を学ぶ

 授業では、生物多様性や外来生物問題などを取り上げています。生物多様性。聞きなれない言葉です。簡単に言うと…地球上には様々な環境があり、その環境の中で様々な生きものが暮らし、みんながつながり合うことで自然のバランスが保たれているんだよ、ってことです。僕たちが生きるために必要な酸素、水、食べ物や薬など、全て生物多様性、この「つながり」から生まれています。この絶妙なバランスは人間が手作りできるものではありません。何万年、何億年という想像もつかないくらい永い年月をかけ、数え切れないほどのたくさんの生命をつなぎ合って育まれたかけがえのない調和です。
 それなのに僕たち人間は、便利で豊かで快適な暮らしを手に入れるために、たくさんの環境を破壊し、たくさんの生きものを絶滅させてきました。どうしても木を切らないといけなかったの? どうしても川を真っ直ぐにしなければいけなかったの? どうしても外国から生きものを持ってこなければいけなかったの? 必要以上に自然を崇拝するのは嫌いです。僕だって電気を使わないと仕事もできないし、排気ガスをまきちらして車を走らせているし、ジャンクフードもばりばり食べます。でもやっぱり、人間はもう少し自然環境や野生動物に対して関心を持ち、それらのつながりによって生かされていることを意識するべきではないかと思います。
 人間がどれほど身勝手な生きものなのかを知ってもらうところから授業を始め、常に「つながり」に意識が向くように導いていきます。野外では、基本的に子どもたちを野放しにします。本当にギリギリのラインまで「危ないからダメ」とは言いません。あとはちょっときっかけを与えるだけで、子どもたちは僕なんかよりはるかに広い視野とはるかに豊かな感性で、いろいろなものを発見し、感じていきます。
 それで本当に環境が守られるのか、この授業がその子にとってどんな効果があるのかなんてわからないまま… 川に飛び込み、野生動物を追いかけ回し、歓声をあげる子どもたちを眺め、楽しく授業させてもらっています。

生きものの写真やマグネットを使い、
「つながり」について学ぶ。
野生にかえる子どもたち。
昔も今も、子どもの本質は変わらない。